大雨被害の上高地線 6月10日全線運転再開へ 10か月ぶり 復旧応援企画も アルピコ交通

アルピコ交通は、2021年8月の大雨の影響により一部区間で運転を見合わせている鉄道上高地線について、2022年6月10日(金)から全線での運転を再開します。

上高地線で運行しているアルピコ交通3000形電車(arromata/写真AC)
上高地線で運行しているアルピコ交通3000形電車(arromata/写真AC)

2021年8月14日の大雨による河川増水の影響を受け、西松本駅〜渚駅間にある田川橋りょうで橋脚が傾くなどの被害が発生しました。現在の不通区間は松本駅〜渚駅間で、同区間ではバスによる代行輸送が続いています(路線図は下図を参照)。

田川橋りょうでは橋脚を新設する復旧工事が進められており、2022年6月10日(金)始発列車から約10か月ぶりに運転を再開する見通しが立ったとのことです。これにより、代行バスの運転は6月9日(木)で終了となります。

【路線図で解説】アルピコ交通 鉄道上高地線が全線運転再開へ

復旧工事の費用には自治体からの補助があるものの、大雨被害に加えて新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、上高地線の経営は厳しい状況に陥っているとのことです。そんな中、全線復旧と今後の運行継続を支える上高地線応援企画が各社の協力により展開されています。

経路検索サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所(本社: 東京都杉並区)は、特設サイトからSNSへの1シェアにつき5円、同社から上高地線に寄付される「YELL for 交通JAPAN」プロジェクトを実施しています。また、代金決済サービスなどを手掛けるウェルネット(東京本社: 東京都港区)は、自社が運営するクラウドサービス「ekaiin.com」内に上高地線応援サイトを設け、クレジットカード決済等による上高地線への寄付金支援を募っています。